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ベスト・R&B・ソング2016

   

今年を締めくくる企画として「ベスト・ヒップホップ・アルバム2016」「ベスト・R&B・アルバム2016」「ベスト・ヒップホップ・ソング2016」を立て続けにお届け致しましたが、これがこの企画最後の記事となります。

2016年にリリースされた数多くのR&Bのシングル曲の中で、このブラック・ミュージック・ディクショナリーが独断と偏見でトップ10を挙げてみました。

あくまで個人的な解釈であり、作品の価値を決めている訳ではないのでご理解を。


10位 Childish Gambino(チャイルディッシュ・ガンビーノ) 「Redbone」

映画俳優としても有名なDonald Glover(ドナルド・グローバー)がラッパー・シンガーとして活動するChildish Gambino(チャイルディッシュ・ガンビーノ)名義で今年リリースしたアルバム『Awaken, My Love!』からのセカンドカット「Redbone」

Bootsy’s Rubber Band(ブーツィー・ラバー・バンド)の「I’d Rather Be With You」を大胆にサンプリングし、オールド・ビートの上に乗る彼のハーモニーが心地良い一曲。


9位 Yuna(ユナ) 「Crush」

マレーシア出身のシンガー・ソングライターのYuna(ユナ)によるサードアルバム『Chapters』からのセカンドカット「Crush」

ベテランR&BシンガーのUsher(アッシャー)とコラボレーションしたこの曲は、アルバムの中でもダントツに人気があり、彼女の美しい歌声に酔いしれること間違い無し。モノクロのミュージックビデオもお洒落でグッド!


8位 Solange(ソランジュ) 「Don’t Touch My Hair」

あのBeyoncé(ビヨンセ)の実妹としても知られるシンガー・ソングライターのSolange(ソランジュ)が、全米初登場1位を獲得したアルバム『A Seat At The Table』に収録されている「Don’t Touch My Hair」

“私の髪に触れないで”というこの題名は、自ら黒人差別に切り込んだ一曲である。彼女ら黒人の髪質はストレートヘアーではなく、クセ毛が強くカールしてしまう。そのせいで黒人女性は髪のお手入れやセットに時間をかかってしまう為、これをコンプレックスに感じている人も多く、彼女らの髪を触る事は差別として受け取られる事もある。そしてこの曲では彼女らの髪を”魂”、”冠”、”プライド”としても例えており、彼女らの背景を知らない人は勝手に触れないで欲しいと訴えている。

フックではイギリスのR&BシンガーSampha(サンファ)が参加している。


7位 Alicia Keys(アリシア・キーズ) 「in Common」

Alicia Keys(アリシア・キーズ)が前作から約4年ぶりにリリースしたアルバム『Here』からのファーストカット「in Common」

プロデューサーにはThe Weeknd(ザ・ウィークエンド)のヒット曲「The Hills」やDrake(ドレイク)の「Crew Love」を手掛けたIllangelo(イランジェロ)が担当し最近流行のラテン調のトラックとなっている。

この曲には他にも、南アフリカの都市ダーバン出身のディープ・ハウスDJのBlack Coffee(ブラック・カフェ)、ニューヨークのエレクトロDJ Xpect(エクスペクト)、イギリスのDJ Lil Silva(リル・シルバ)、そしてHip Hopシーンでもお馴染みの大御所Kenny Dope(ケニー・ドープ)らがそれぞれリミックスした曲も発表され話題となった。


6位 Tory Lanez(トーリー・レインズ) 「Luv」

2015年にリリースした「Say It」がヒットし、その名を広める事が出来たカナダのトロント出身のラッパー・シンガーTory Lanez(トーリー・レインズ)によるシングル曲「LUV」

この曲はトーリー・レインズのデビューアルバム『I Told You』からのファーストカット曲であり、Tanto Metro and Devonte(タント・メトロ&デボンテ)の名曲「Everyone Falls in Love」のフックをサンプリングしたフロア・キラーである。

他にもレゲエ・ダンスホールシーンのスーパースターSean Paul(ショーン・ポール)がフューチャリングした公式リミックス曲も存在する。


5位 Anderson .paak(アンダーソン・パーク) 「Come Down」

LAを代表するシンガー兼ラッパーであるAnderson .paak(アンダーソン・パーク)が今年リリースしたセカンドアルバム『Malibu』からの4枚目となるシングルカット「Come Down」

プロデュースはメジャー、アンダー問わず手がける敏腕プロデューサーHi-Tek(ハイテック)が担当。グルーヴィなベースラインとファンキーなヴォーカルは、どんな時でもテンションを上げてくれるパワーソング。彼はドラマーとしても活動しており、その姿はこのミュージックビデオで確認ができる。また、NikeのスポーツシューズZoom KD9のコマーシャル映像にも使用されている。

公式リミックスにはラッパーのT.I.が参加した曲も存在する。


4位 The Weeknd(ザ・ウィークエンド) 「Starboy」

今年2月に開催されたグラミー賞にて前作『Beauty Behind the Madness』が2部門を受賞したカナダ出身のシンガーThe Weeknd(ザ・ウィークエンド)が、11月にリリースした自身4作目となるアルバム『Starboy』に収録されたファーストカット曲。

アルバムと同名曲であるこの「Starboy」は、フランス出身のハウス/エレクトロサウンド・ユニットDaft Punk(ダフト・パンク)とコラボ。彼の作品の中でも最もフロア向けでありDJにとっても使い勝手の良い曲である。


3位 Beyoncé(ビヨンセ) 「Formation」

Beyoncé(ビヨンセ)によるソロ6作目となるアルバム『LEMONADE』からのファーストカット「Formation」

この曲は「Super Bowl 2016」の前日に急遽発表し、そのハーフタイムショウでも披露した事で話題となった曲。人種的な内容や、女性の社会における強さを主張している。

街が水浸しになっているミュージックビデオは、きっと2005年に起きたハリケーン・カトリーナによって洪水被害が起きてしまった街へ向けてのメッセージではないかと言われている。


2位 Rihanna(リアーナ) 「Work」

Rihanna(リアーナ)嬢が3年ぶりにリリースしたアルバム『Anti』からのファーストカット「Work」

アルバムの中でも一番に大ヒットを記録したこの曲は、元カレでもある人気ラッパーDrake(ドレイク)との再共演した事でも話題に。この”Work”とは”セックス”を意味するスラング。作詞はPARTYNEXTDOOR(パーティーネクストドア)が担当し、ジャマイカの方言であるパトワ語を多く使用した曲である。

彼女の出身地はカリブ海に浮かぶバルバドスであり、このようなレゲエ調な曲が彼女にとって一番表現したい曲なのがわかる。


1位 Frank Ocean(フランク・オーシャン) 「Nikes」

グラミー賞にて2冠を受賞した経歴を持つルイジアナ州出身のR&BシンガーFrank Ocean(フランク・オーシャン)が今年リリースしたセカンド・アルバム『Blonde』からのファーストカット「Nikes」

アルバム冒頭を飾るこの「Nikes」は彼にとっても、R&Bシーンにおいても最高傑作の一つ。フックは無く、女やドラッグについて、ただひたすら想いを綴っている。彼の歌声にフィルターヴォイスをかけており、心地良いというよりは聞き手を不安定な気持ちにさせるところが、彼の心情を上手く伝えているのだと思う。

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