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ベスト・ヒップホップ・アルバム2016

      2016/12/26

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早くも2016年が終わろうとしている。今年は近年まれとなるいわゆる”豊作の年”であり、シーンのトップを牽引する多くのアーティストらの作品が世に出た。そこで、勝手ながらこのブラック・ミュージック・ディクショナリーが独断と偏見で今年リリースされたヒップホップ・アルバムのトップ10を挙げてみました。

あくまで個人的な解釈であり、作品の価値を決めている訳ではないのでご理解を。


10位 Gucci Mane(グッチ・メイン) 『Everybody Looking』

Everybody Looking

今年5月に約2年半ぶりに出所したラッパーGucci Mane(グッチ・メイン)がリリースしたメジャー5作目となるアルバム『Everybody Looking』。出所後すぐにリリースしたMike-Will Made It(マイク・ウィル・メイド・イット)がプロデュースする「First Day Out Tha Feds」は、曲をインターネット上にアップしたところ、わずか24時間で110万回を超える再生回数を記録する事となり、多くのファンが彼の復活を待ち望んでいた事が実感出来た。

2016年は、10月に『WOPTOBER』と、12月に入り『The Return of East Atlanta Santa』をリリースし、なんと1年間に3作ものアルバムをリリースしたが、当サイトではこの『Everybody Looking』をオススメする。


9位 YG(ワイ・ジー) 『Still Brazy』

STILL BRAZY

今年6月にコンプトンを代表するラッパーYG(ワイ・ジー)が、前作『My Krazy Life』から約2年ぶりにリリースしたセカンドアルバム『Still Brazy』

収録曲には、Drake(ドレイク)とオークランド出身の若手フィーメルラッパーKamaiyah(カマイヤー)が参加した「Why You Always Hatin’」や、Donald Trump(ドナルド・トランプ)氏をディスった「FDT」などがあり、前作のキャッチー路線とは異なりウェッサイ色が強く、タイトなトラックにYGのラップが映える硬派路線となっている。


8位 D.R.A.M.(ドラム) 『Big Baby D.R.A.M.』

Big Baby D.R.A.M. [Explicit]

バージニア州出身のラッパーD.R.A.M.(ドラム)によるデビューアルバムとなる『Big Baby D.R.A.M.』

このアルバムにはなんと言っても、今年大ヒットを記録したLil Yachty(リル・ヨッティ)とコラボしたウィードソング「Broccoli」を収録。また他に類を見ない彼の独創的なスタイルが、このアルバムに収録されている曲に散りばめられており、非常に面白い作品である。


7位 Danny Brown(ダニー・ブラウン) 『Atrocity Exhibition』

ATROCITY EXHIBITION

その特徴ある声質やライミング、言動、行動、楽曲においてオリジナリティ溢れた唯一無二の存在であるデトロイトが生んだ破天荒ラッパーDanny Brown(ダニー・ブラウン)がリリースした4枚目となるアルバム『Atrocity Exhibition』

15曲を収録したアルバムには、Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)とAb-Soul(アブ・ソウル)、そしてTyler, the Creator率いる”OFWGKTA”に所属するラッパーEarl Sweatshirt(アール・スウェットシャツ)らとコラボした「Really Doe」を収録。他にも今後が楽しみなシンガーのKelela(ケレラ)やPetite Noir(ペティート・ノワール)、Cypress Hill(サイプレス・ヒル)からB-Real(ビー・リアル)らが参加。


6位 Travis Scott(トラヴィス・スコット) 『Birds in the Trap Sing McKnight』

Birds in the Trap Sing Mcknigh

様々な楽曲のプロデュースから自身のラップ・ソングまで幅広く活躍するアーティストTravis Scott(トラヴィス・スコット)によるセカンドアルバム『Birds in the Trap Sing McKnight』

アルバム参加アーティストは、André 3000(アンドレ3000)、The Weeknd(ザ・ウィークエンド)、Kanye West(カニエ・ウェスト)、Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)、Swizz Beatz(スウィズ・ビーツ)、Bryson Tiller(ブライソン・ティラー)、Kid Cudi(キッド・カディ)、21 Savage(21サベージ)、Cassie(キャシー)と超豪華。

彼のお得意のダウナー系サウンドは、聴きこむ事にドハマりしていく中毒性を持つ。


5位 J. Cole(Jコール) 『4 Your Eyez Only』

4 YOUR EYEZ ONLY

グラミー賞にもノミネートしたノースカロライナ出身のラッパーJ.Cole(J・コール)が、サプライズでリリースした約2年ぶりに4枚目となるアルバム『4 Your Eyez Only』

J・コールはこのアルバムのリリース告知と同時に40分近くにも及ぶドキュメンタリー映像『Eyez』を公開、Minnie Riperton(ミニー・リパートン)の「Inside My Love」をサンプリングに使用し、リリックの中には Lil Uzi Vert(リル・ウージー・ヴァート)とLil Yachty(リル・ヨッティ)らをディスしている「Everybody Dies」や、Drake(ドレイク)やKanye West(カニエ・ウェスト)らをディスしていると思われる「False Prophets」などの新曲も収録されていたが、実際にはアルバム『4 Your Eyez Only』には収録されておらず話題となった。

10曲を収録したこのアルバムは、90年代を思わせるようなサンプリングを元としたサウンドであり、リアルなヒップホップを聴かせてくれる。


4位 A Tribe Called Quest(ア・トライブ・コールド・クエスト) 『We got it from Here… Thank You 4 Your service』

We Got It From Here… Thank You 4 Your Service

2016年という年は、偉大なアーティストとの別れもあった。その内の一人として挙げられるのが、3月23日に45歳という若さで惜しくも亡くなったラッパーPhife Dawg(ファイフ・ドーグ)だろう。

そこで彼が在籍していたレジェンダリーグループA Tribe Called Quest(ア・トライブ・コールド・クエスト)が、今年11月にリリースした18年ぶりにしてラストアルバムとなる『We got it from Here… Thank You 4 Your service』を当サイトでは4位としてランクインさせていただく。

16曲を収録した今作には、Consequence(コンシークエンス)、Busta Rhymes(バスタ・ライムス)、André 3000(アンドレ3000)、Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)、Jack White(ジャック・ホワイト)、Anderson Paak(アンダーソン・パーク)、Talib Kweli(タリブ・クウェリ)、そしてElton John(エルトン・ジョン)という超豪華アーティストらが参加。

彼らのベースとなる”ジャズ”を中心にロックや他ジャンルからサンプリングし、新たなサウンドを構築。シーンを牽引してきた彼らのネクストレベルのヒップホップを楽しむ事が出来る。


3位 Drake(ドレイク) 『Views』

Views

今年4月にリリースされたDrake(ドレイク)による4枚目となるモンスター・アルバム『Views』

アップルと契約をしているドレイクだが、”Apple Music”ではこのアルバムが史上初の10億回を超えるのストリーミング再生を突破し、まだまだその記録を伸ばしているようだ。

20曲を収録したボリュームあるアルバムには、”The Throne”ことKanye West(カニエ・ウエスト)とJay-Z(ジェイZ)が参加した「Pop Style」や、イギリスのシンガーKylaが2008年にリリースした「Do You Mind」のフレーズをサンプリングしたアップテンポなダンスナンバー「One Dance」、奇妙な“ドレイク・ダンス”が話題を呼んだ「Hotline Bling」などを収録。


2位 Chance The Rapper(チャンス・ザ・ラッパー) 『Coloring Book』

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今年リリースされた作品の中で決して忘れてはいけないのが、このChance The Rapper(チャンス・ザ・ラッパー)によるミックステープ『Coloring Book』

このミックステープは、ストリーミング配信のみでの提供となり、CDやMP3などの一般販売はされていない。のにもかかわらず、ストリーミング配信だけで全米チャートにて初登場8位を記録する快挙を成し遂げてしまったモンスター作品である。

参加アーティストも豪華だが、ジャズをずっと聞いてきたと言うだけあって音楽性に富んだ作品はレベルが高く、変に悪ぶっている訳ではないスタイルは、多くのファンを獲得する理由でもあるだろう。


1位 Kanye West(カニエ・ウエスト) 『The Life of Pablo』

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2016年のヒップホップ・シーンはこの男に振り回された!?影響を受けた年ではなかっただろうか。

今年2月にJay-Z(ジェイZ)が買収の音楽配信サービス”TIDAL”から独占ストリーミング配信として7作目となるアルバム『The Life of Pablo』をリリースしたKanye West(カニエ・ウエスト)。当初は、カニエ自身がこのアルバムはタイダル限定配信という事を告知していたものの、結局”Apple Music”や”Spotifi”からも配信させてしまい、ファンを騙す事となった。また、アルバムのリリース後に”生きているアルバム”として「Saint Pablo」を新たに収録させるなどアップデートをしている。

更には6月にはこのアルバムに収録されているシングル曲「Famous」のミュージック・ビデオを公開。これはなんと彼の奥さんであるKim Kardashian(キム・カーダシアン)や、Taylor Swift(テイラー・スウィフト)、Donald Trump(ドナルド・トランプ)など、総勢12名がベッドインする異常とも思われる映像であり、世界中の話題となった。

アルバム以外にも、カニエの奥さんであるキム・カーダシアンがパリのホテルで銃で脅され強奪にあったり、カニエ自身が精神的な病から入院するなど、プライベートでもお騒がせな年であった。

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